父親が社会的に偉い存在の家庭で起こりやすい。

どんなに頑張っても父親を追いこすことができないと自ら悟る。そして、

●父親または母親が一番嫌がることをしてみせる。
●父親が大切にしている高級車を他府県に乗り捨ててしまったりする。警察からの電話で父親が知った。
「おやじはどうせ新しい車を買うだろう」
と息子は思っている。息子は金もないので、おやじの大切なものを、質屋に入れて現金を手にする。
●ある日は酒に酔い、下着泥棒をして捕まる。
彼にとっては、泥棒が目的ではなかった。父親が警察に頭を下げることが目的であった。

父親も考えていた。度重なる警察の問題に心を痛めていたが、しばらく警察署にお預けておけば、本人も反省するだろうと、これ以上警察が預かれないぎりぎりまで、迎えに行かなかった。
警察にいる限り、次の事件は起こらない。その考えが父親にはあった。
父親は、息子はまだ他人を巻きこむまでの事件を起こしていないことが唯一、幸せに思っていることだと言う。
「気が休まることがない」と心のうちを話してくれた。